厚生労働大臣免許で国の正式なライセンスです。接骨師とも言われ、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(軟部組織損傷)などについて各種健康保険の取り扱いが可能で、医師や歯科医師のように接骨院を独立開業できる有望な職種です。
町で見かける接骨師、ほねつぎといった方が分かりやすいと思いますが、正式には柔道整復師といいます。整体やマッサージ師と同じ職業だと間違えている人も多いと思います。
ルーツは戦国時代にさかのぼります。武術のひとつだった柔術は、もともと組み討ちの技で、「活法」と「殺法」に分けられます。「殺法」は武術そのもので、当て身、関節技、固め技などを指します。それに対し「活法」は当て身で気絶した者の息を吹き返すことから始まりましたが、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの外傷の治療法、さらに出血、仮死者に対する蘇生法など昔の外科医の分野に含まれます。この「活法」が柔道整復の基となりました。この治療法は、大正9年に法的に認められ、第2次世界大戦後現在の憲法の下、昭和22年に法制化されました。昭和45年の柔道整復師法で単独法となり、平成元年の改正により厚生大臣免許(現厚生労働大臣免許)となりました。
当校は、学校教育法第82条により「医療専門課程」の習得を目的とする専門学校として、厚生労働大臣より「柔道整復師の養成施設」として認可を受けています。
科目履修は、3年間で合計99単位(2750時間)の履修をもって卒業(卒業見込み)を認定(医療専門士称号授与)、国家試験受験資格が与えられます。
柔道整復師国家試験は毎年1回「3月第1日曜日」となっています。
国家試験合格者(例年3月末発表)は免許申請後、厚生労働大臣より「柔道整復師免許」の交付を受けることができます。
令和4年に卒業後2年間の実務経験(令和6年から3年に変更)と講習会16時間の受講が必要です。
医師と同様に柔道整復師にも独立開業権が認められており、接骨院・整骨院の開業・営業が可能です。
卒業後、実際の臨床経験(実務経験)が令和4年から2年間必要です。(令和6年から3年間)。一定期間の卒業研修をするため北陸地区を中心に全国各地の本校卒業生の接骨院で研修することが出来ます。
運動器疾患のリハビリ専門職として、整形外科・リハビリテーション科などの医療機関で、患者様の痛みの緩和や身体機能回復、自然治癒を支援します。近年、柔道整復師などの職種が定められた講習会(1日)を受講すれば、運動器リハビリテーションのスタッフとして働くことも公認されました。
柔道整復師は介護の分野でも機能訓練指導員資格を有し、介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格もあります。本校は、介護職員初任者研修を実施しているので、介護職員としても勤務できますが、将来運動機能向上を中心にした介護予防を行う訪問型サービスや通所型サービスを開設できます。
日本には"スポーツトレーナー"という国家資格は無く、骨折・捻挫などの専門職で、近代的医療技術を身につけた医療資格者として柔道整復師はスポーツジムやスポーツチームに所属し、すでに活躍しています。また、柔道整復師会対象のアスレチックトレーナー講習会や体協のトレーナー講習会を受講するなどしてプロスポーツや地域スポーツで本格的に活動しています。
トレーナーの資格としては、(財)日本体育協会認定のアスレティックトレーナー(AT)という民間資格がありますが(いわゆる国家資格、ライセンスではありません)、この資格を取ったからプロのトレーナーになれるというわけではなく、求人がほとんどなく非常に厳しいのが現状です。また所定の講習(体協の養成講習会や体育系大学の適応コース)を受けても検定試験の合格率が非常に低いようです(養成講習会修了者ではおよそ40%であり、適応コース修了者ではおよそ10%以下と極めて低い。)本校ではまず骨折や脱臼の他、スポーツ障害などのけがを扱う柔道整復師の資格を有せインして取得することをお勧めしています。
「スポーツトレーナーになる」というだけであれば、資格は必要ありません。しかし、医療系の国家資格を保持していない場合、トレーナーとして活動することは事実上不可能となります。JATAC認定アスレチック・トレーナーは元々柔整師のために設立された団体で、現実的に卒業後取得可能な資格であると思われます。
これは非常に大事なことですが、日本の法律で、「人の体に触れて医療類似行為を行うには、医療系の国家資格を保有する者に限る」と定められています。このため、日本国内のプロのトレーナーのほぼ全てが、医療系の国家資格(柔道整復師、鍼灸師、理学療法士など)保持者です。9割以上が柔道整復師・鍼灸師のどちらか(または両方)の国家資格を有しているのです。つまり、医療系の国家資格を持っていなければ、アスリートの体に触れることができず、トレーナーの仕事が行えないということになります。
まずは、医療系国家資格を取ることが、トレーナーになるための第1歩と言えます。
医療系の資格を持っていることは前提条件となりますが、それに加えてスポーツ志向や、競技経歴などが有利となります。スポーツトレーナーと言う職業は、求人広告やネットや新聞などで公募されることはほとんどありません。チームで欠員が出たとき伝手で探しているようです。チームに所属しているトレーナーの伝手をあたる。口コミで経験豊かで実績のあるトレーナーをリクルートする、などの方法となります。
まずは、医療系国家資格を取得し、いつ声がかかっても良いように必要な知識、技術を身に付けることです。既に医療系国家資格を取得しているのであれば、トレーナー専門の派遣会社へ登録することも就職先の選択肢を広げられます。これから資格を取得するのであれば、資格取得の際に通う学校選びや、在学中のインターンシップなど、就職機会を増やすための活動が重要になります。
柔道整復師は骨折脱臼捻挫打撲挫傷などの運動器疾患のプロ教育を受けた国家資格(厚生労働大臣免許)で、将来トレーナーを目指す人にとっては非常に有利となる資格です。金沢救急救命専門学校では整形外科や接骨院などに就職して柔道整復師としての日常業務を行い、スポーツ障害に対するスキルを研いてステップアップしていくことをお勧めしています。